家族のみで執り行なう故人が喜ぶ一周忌・親族を招かない場合は?
葬儀が終わり、故人が亡くなって1年が経つ区切りとして、一周忌法要が営まれます。四十九日法要までは遺族だけでなく親族や故人の友人、会社関係者などに参列をお願いすることも多いのではないでしょうか。しかし、親族の高齢化、故人が勤めていた会社を退職してから亡くなるまでの期間が長く、職場関係者の付き合いの希薄であった場合の一周忌法要は、家族のみで執り行ないたいと考える人が増えているようです。
では、家族だけで執り行なう一周忌法要とは、どういった内容なのか。また、親戚を呼ばないことによるトラブル回避にむけたアドバイスなどをご紹介します。
家族のみで行なう一周忌法要の内容
一周忌法要の内容は、僧侶の読経・焼香、そして会食というのが一般的です。しかし、家族だけで行なう場合、故人や家族の好みに合わせた内容の法要が営めます。例えば、音楽好きだった故人のために、好きだった音楽を流す。故人が好きだった映像を見ながら、故人を偲ぶ。アルバムの写真を見ながら楽しかった思い出話に花を咲かせるなど、故人や家族の意向が反映しやすい傾向があります。
また、法要後の会食も施主の判断に委ねられます。会食を無しにすると、費用面は僧侶へのお礼だけになり施主の負担が軽くて済みます。会食をしない場合は、僧侶に読経料・お車代・御膳料を渡すようにしましょう。
家族のみで行なう一周忌法要の場所・服装
法要は、お寺か自宅で執り行なわれる場合が多いです。法要後に会食をする場合は、葬儀会社やホテルの法事用プランが利用できます。人数が多くても安心して、すべて任せることができるので便利です。また、法事用のお料理を用意してくれる料理屋も多くあります。お寿司や天ぷら、洋食など、故人が生前に好きだったメニューを選び、故人を偲んでの食事会も良いですね。
服装は、喪服を着用することがマナー。しかし、例外もあります。自宅で家族だけの法要では、お寺と相談した上で、落ち着いた色目の平服で行なう場合もあります。家族が平服を希望した場合、お寺側に事前に伝えておくことも大切です。
まずは、施主と家族が話し合い、故人にとってよりよい法要を行なうことが好ましいでしょう。
一周忌法要を家族のみで行なうときの注意点
一周忌法要を家族だけで執り行ないたい場合でも、葬儀に参列してもらった親戚にはひと言、お知らせしておきましょう。法要に呼ばれなかったことを、不快に感じる人がいるかもしれません。可能な限り事前に伝えておくことが、親戚関係の悪化を防ぐポイントとなります。
親戚に伝える場合、「故人の遺志だから」「施主側の時間的、経済的余裕がないから」「遠方に在中のため、わざわざ来てもらうのが心苦しい」といった家族の気持ちを伝えることで、共感が得られます。
また、法要後には滞りなく済ませた趣旨のハガキや挨拶文を送ることも大切です。故人を悲しませないためにも、親戚関係には配慮することをお勧めします。
家族葬・一周忌についてのまとめ
一周忌法要を、家族だけで執り行い人が増えてきた背景には故人や故人を送る側の高齢化があります。高齢化に伴う年金生活者の、経済的な負担が大きいといったことが問題の一つと考えられます。さらに、故人の友人や知人も高齢者である場合が多く、体力的に法要に参列することが難しいなど。そういった背景から、家族だけで法要を希望する人が増えているのは自然な流れです。
家族だけでの一周忌を行なう場合でも、親戚や故人の友人関係に配慮することで、関係性が悪くなったりトラブルが起こったりすることが避けられます。
施主を中心に家族が、故人のために温かい法要が進められるよう、協力していくことが大切です。また、故人に近しい間柄の人も、故人を悲しませないように家族の意向を尊重して協力してあげるようにしましょう。